機械設計者の仕事について(受注生産の場合)①

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機械設計
めかみ
めかみ

設計者って具体的にどんな仕事をするの?

めかこ
めかこ

仕様の打合せ、構想設計、詳細設計、描いた図面の出図、出図した図面に関する問い合わせ対応など、多岐に渡るわ。

めかみ
めかみ

えー!

CADでモデリングしたり図面だけ描いていればいいんじゃないんだ!

めかこ
めかこ

最初はそうだけど、経験を積んでいくと対応しなければならないことが増えてくるわ。

大変だけど、やりがいはあると思うわ。

めかみ
めかみ

へぇ……

ところで、構想設計とか詳細設計って何?

めかこ
めかこ

それについては、このブログの管理人がこの記事で説明するらしいわ

めかみ
めかみ

あー……

めかこが教えてくれるんじゃないの?

……投げっぱなしジャーマンだなぁ。

このブログの名の通り、今まではCAD(CGはまだですが)に関する記事をアップしてきましたが、今回は機械設計の担当する仕事と流れについて、自分の経験してきたことから纏めてみました。

ここで取り上げる例は、お客さんの要望を受け生産設備を設計製作、販売している会社が当てはまると思います。

機械が作られるまでには、お客さんから作ってほしいという依頼を営業が受けて、設計して図面を描いて、図面を元に部品が作られて、組み立てられて……と進んでいく訳ですが、設計者は図面を描くだけでなく、モノが作られていく各工程に深く関わっていくことになります。

その工程の中で設計者の必要な知識や心構えについて、筆者の経験を基にまとめてみたのが本記事です。(会社、業界、作っている機械によって異なるとは思いますが……)

機械設計の仕事について興味のある方や、機械設計補助者、CADオペレーターの方のステップアップの参考に、少しでもなればと思います。


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機械が作られるていく流れ

会社にもよりますが、お客さんから機械が欲しいと依頼されてから動き始める会社、つまり受注生産で機械を作っている会社では下記の工程で機械を作っていくと思われます。

ここで言う受注生産とは、既に自社のベースの製品・標準機があって、それをお客さんの望む仕様に合わせて設計製作していく生産方式を指しています。

  1. 仕様打合せ…営業部が担当するが、設計者も同席を要請されることもある。
  2. 構想設計…仕様書を基に標準機に対し追加、変更される部分の構想図(ポンチ絵)を作成する。
  3. 詳細設計(計画図作成)…構想図を基に計画図を作成する。
  4. 承認図面作成…計画図を基に客先に確認してもらうための図面・承認図を作成、客先に提出。
  5. 詳細設計…計画図から部品図、組立図を作成する。
  6. 部品作成…製造部が担当。部品図を基に自社工場や加工工場に外注して部品を作成する。
  7. 組立…製造部が担当。製作された部品や購入部品を組立図通りに組立ていく。
  8. 検査…検査部が担当。組みあがった機械が仕様書通りのスペックを満たしているか検査する。
  9. 出荷…客先への機械の運搬し、据え付けと試運転を行う(製造部、サービスが担当)

この記事では設計の仕事について取り上げているので、意図的に設計工程だけ細分化しております。

設計者の主な担当業務は2~5ですが、1は私の経験上、仕事の3回に1回、6~8は毎度、確実に巻き込まれると思った方がいいかと思います。

本記事ではまず、1.仕様打合せ~4.承認図面作成についてご説明します。

1.仕様打合せ

私の以前いた会社では、まずは機械が欲しいお客さんが、営業に電話やメールもしくはホームページに設けてある問い合わせのページから発注し、営業がお客さんのところに出向いて仕様の打ち合わせを行うのが基本でした。

しかし、機械の金額が大きい、もしくは客先の大きなプロジェクトの場合、大抵は設計者も打合せに同席して欲しいという話になります。

仕様打合せの場においての設計者の役目は、持っている機械の知識や技術から、客先が要求する仕様が出来るかどうかの判断と、出来なければ解決のための案が出せるかどうかです。

どうしても出来ない場合は断るわけですが、その時もお客さんを納得させられる説明が必要となります。

判断がつかない分からない場合は、背伸びをして適当に答えるのはNGで、「調べてから〇月〇日までに回答します」としておいた方が無難ですし、誠意も感じてもらえると思います。

もちろん、設計にあたり仕様などで不明な点があれば、その場で質問をして解消しておくのも忘れずにしておきましょう。

また打合せの際に、これから自分が設計する機械と似た機械が仕事をしているところを見せてもらえると儲けもので、とても勉強になります。

製品を製造しているところを快く見せてくれるお客さんは意外と多く、会議室よりも実際に機械を前にした方が設計者としては会話が弾んだりするものです。

同じ理由で、打合せの参考になりそうな資料や図面(外部に開示して問題無いもの)を準備しておくのも大事です。

叩き台があると、双方イメージも沸いて話もスムーズに進みますからね。

ただし、客先に持って行く図面や資料は、持って行って良いか必ず上司に確認しておきましょう。

図面は秘匿されるものであり、不用意に持ち出すと会社から懲戒処分を受ける可能性もあります。

また、出張時には無くさないように十分注意する必要もあります。

参考になりそうな機械の商用図や仕様書が、別の得意先のものであれば、その社名や得意先に繋がる情報は全て黒塗りにするか消すのを忘れずに。

以下に、心構えをまとめておきます。

  1. 打合せをする製品について説明ができる知識があること。
  2. お客さんが要求している仕様が、出来るか出来ないか判断することができる。
  3. 出来ないなら代案を提示できること。断る場合はお客さんが納得できる説明ができること。
  4. 分からないことは正直に分からないとし、調べてから回答すると約束する。
  5. 外部に開示可能な図面や打ち合わせ資料を事前に準備しておく。
  6. 持っていく資料や図面は持って行って良いか必ず上司に確認してもらい許可を得る。
  7. 疑問点は出来る限り打合せで質問をして解消しておく。

私もですが、お客さんと話すというのは、歳を重ね場数をいくつ踏ませてもらっても、なかなか慣れないし緊張するものです。

情けない話、前日に一睡もできなかったこともありました。

それこそ、打合せの経験が少ない社員の場合、かなりの精神的負担があるように思います。

中にはお客さんを怖がって、私の後ろに隠れてしまう子もいました。

ゆえに、上司側の立場の方は配属されたばかりの新卒の子を一人で客先に向かわせるのは論外として、製品知識に乏しい社員を一人で向かわせるのは、やめるべきだと思います。

そういうことをしていると、客先や営業、部下からの信用を失うだけでなく、自分の勤めている会社の悪評に繋がり、お客さんから発注も来なくなってしまうことでしょう。

甘やかせという訳ではなくて、新入社員に打合せの経験させたい場合は、必ず上司が設計側の打合せのメインとして同行し、新入社員には議事録を書いてもらったり、事前に資料を揃えるのを任せて、打合せの段取りや実際の雰囲気や流れを掴んでもらうべきだと思います。

また、あくまでも仕様打合せは営業の仕事です。

ベテランの営業の場合、なんでもかんでも設計に押し付けてる輩もいます。

そういう営業に遭遇した場合は、上司から営業に苦情を申し入れた方が良いでしょう。

……と、なんだか偉そうにつらつらと書いてしまったように思いますが、自戒の意味もこめて纏めました。

2.構想設計

仕様打合せを終えた後は営業が議事録を基に仕様書を作成します。

それをお客さんが承認し正式発注されれば、社内に受注仕様書が配布されます。

設計部は受注仕様書を受け取ったら、そこから標準機に対し何を変更すべきかを読み取り、設計作業を進めることになります。

まずは構想図を描く

まず、構想図(ポンチ絵)を描きます。

構想図は仕様書にある事項から、それを満たす機械の形状や機構のイメージし、描きだした図面を指します。

例えば子供の頃、こんなロボットや乗り物があったらいいな、と頭に思い浮かんだものを紙にラクガキしたことは無いでしょうか?

それに近いと思います。(もちろん実現できるもので無くてはいけませんが…)

構想図のことを「マンガ」という人もいますね。

構想図を描くツールは、特に指定が無ければ手描き、CADで自分が最も早く描けるツールを選びましょう。

構想図を描く段階で押さえるべき事項

構想図は寸法を決めてきっちり描く必要はありませんが、描く際に抑えておくべき事項を下記に示しておきます。

  1. 機械で動作する部分の可動の制限(ストロークやリンクの回転角度など)
  2. 機械の全高、全長、全幅の制限(可動部分の最大ストローク含む)
  3. 動作する部分の回転数や速度、出力やトルク等の指定があれば、それを満たす動力の選定や機構の検討および計算
  4. 操作性の検討
  5. センサ類の選定
  6. 安全性の検討
  7. 社内規格やJIS規格自社製品の設計に際し留意しておくべき規格

1、2に関しては、定規を使って各々の部品の比を正確に描くことが必要です。

それを考えると手描きで構想図を描いている場合、縮尺を決めておくと楽かもしれません。

3は使用するモーター、歯車、ポンプやシリンダ等のカタログ、もしくは機械力学、流体力学等の知識から、あらかじめ検討しておく必要があります。

4は機械はどう操作すると動くのか、自分が機械を使うとしたら、どういう操作手順がやりやすいか、疲れないか、危険が無いかを頭の中で仮想使用しながら考えます。

5のセンサも他の機械部品に比べると小さいですが、ケーブルの引き回し等をどうするかにも関わってきますから、仕様にある電圧等を踏まえて、ここで検討しておく必要があります。

6は例えば工場が停電になったときに機械が危険な動作をしないよう、安全についても検討しておく必要があります。

例えば、油圧シリンダで物を持ち上げる機械の場合、停電したときにシリンダが降りてきて思わぬ危険となることも考えられます。

それを踏まえて方向制御弁やチェックバルブを選定した上で油圧回路を設計し、停電が起きてもシリンダが降りてこないようにする必要があります。

こういう機械的な対策しておくことをフェールセーフと言います。

最後の7ですが、規格は設計において絶対に無視してはならないものです。

ただ、規格は設計を制限する煩わしいものというわけではなく、設計を楽にしてくれるものと捉えた方が良いでしょう。

例えばJIS規格が無ければ、規格に無い、つまり市販品が無いから自社で設計して作る必要が出てきてしまいます…とても大変なことです。

また、規格は設計者に限らず、製造に携わっている人は、知っておく必要があるものと捉えておくべきだと思います。

頭の中やCADでの機構の確認に限界があるような複雑な機構であれば、厚紙で機構を作って動かしてみるのも有効です。

私もリンク機構などは厚紙、テープ、画鋲を使ってリンクを再現して自分の考えが成立するかやってみることもあります。

現在の3DCADなら、CAD上で機構を再現して動きを確認するのも容易になってはいますが、実際に自分で作って見た方が理解が深まる気もします。(考え方が古いかな?)

ちょっとした部品追加の構想図は

ここまでは、大がかりな追加ユニットを設計する場合について、構想図の書き方を述べたつもりです。

しかし、一部のユニットにカバーを設けたり、ちょっとしたセンサを追加する程度であれば、そのユニットの図面や3Dモデル画面を出力し赤ペンなどで書き込みをするが早いしおススメです。

実際の図面やモデルに書き込みされている方が、構想しているユニットの大きさが大体把握できたり、実現可否の判断がしやすいからです

私はベースとする機械の3Dモデルや図面を印刷して、それに赤ペンで書き込みをしたものを上司によく見せていました。

それ以外に確認しておくべきこと

重要なことですが、仕様書に使用することを明記されている購入品については、それが組立が始まる前までに納入してもらえるかどうかを確認をしておくことです。

モーター等は容量やオプションの有無関係してきますが、普通に2、3か月かかることも多いです。

爆発の恐れのある工場での使用を想定した防爆仕様のモーターの場合、さらにかかる傾向があります。

特に初めて使用する購入品は、メーカー等のホームページやカタログから、組立作業が始まるまでに納入可能かどうか確認しておく必要があります。

会社によって色々あると思いますが、設計からメーカーや商社に直接問い合わせて良いかは、上司に確認した方が良いでしょう。

購買から問い合わせをするように決めている会社や、商社の中には購買権限を持つ部署以外からの問い合わせを受け付けない会社もあります。

調査の結果、予定した納入日までに間に合わなければ、営業に機械の納期について交渉してもらう必要が出てきます。

構想設計については以上です。

構想図は上司に見せてOKが貰えたら、大切にファイルしておきましょう。

3.詳細設計(計画図作成)

次に構想図を基に計画図の作成を行います。

(3DCADで設計を行っている場合、計画図=3D検討モデルと考えてください。)

計画図は、構想図を実現できるように機械の寸法、機構をきっちりと決めた図面で、次に控えている承認図や部品図、組立図の作成に必要となる、とても重要な図面です。

まずは構想図の段階で大きさが決まっている部品(購入品)とのバランスを取りながら、フレームやベース等を描いていきます。

この時点で強度計算の必要はありません。

見た目がゴツくなりすぎず、細くなりすぎないことを意識しながら勘で描いていきます。

(勘で寸法を決めることを、設計の人は「エイヤッ」で寸法を決めると言います。)

溶接構造にしようとか、ここは形鋼を使おうとか、ここフラットバーを使おうとか、精度がいるから機械加工が必要だとか、色々と考えながらです。

初心者からすると「そんなの無理」と思ってしまうかもしれませんが、もちろん我々は絵描きでは無いので描き終えたら力やモーメントのかかる部分は強度計算を行う必要があります。

強度計算をした結果、許容応力を満たしていない場合は、板厚や径を上げて(形鋼等であれば一段サイズアップして)再計算、よければその寸法で描き直します。

先に強度計算すればいいんじゃないと思う方もいるでしょうが、強度計算は部品の大きさを前もって仮定しておいた方が計算が全然楽です。(試しにやってみると分かります)

経験を積んでくると、例えば「20kgf(196N)の荷重がかかるけど、アングル材50×50のt5を4本で支えるなら問題ないだろう」とか、どんどん判断がつくようになってきます。

部品の公差や、それを満たすための加工、材質、熱処理、表面処理も全て決める必要があり、可能な限り計画図上に書き入れておくと、後の計画図を基にして進めていく設計作業が楽になります。

その他、構想図を描く段階ではしていなかった計算や、購入品の選定に必要な計算をカタログや力学等を参考に行い、最終的に設計計算書として整理してまとめておきます。

設計計算書は会社によっては提出を求められないところもありますが、必ず作って資料としてファイルしておいた方が、後々自分や他の設計者のためになります。

構想図通りにいかないことが分かった場合

計画図を描いていく中で最初に描いた構想図自体が仕様に適合しないものだったと分かることもあるでしょう。

その場合、上司に相談し構想図に戻って再度検討、構想図の訂正を行います。

構想図を修正するのが面倒で、成立するよう計画図を描き進めていきたい気持ちに駆られますが、別の部署からの問い合わせの対応をしているうちに、折角考えたアイデアを忘れてしまうこともあるかもしれないので、構想図に反映しておくのが望ましいです。

計画図を描き終え仕様書通りに設計できているか自己チェックが終わったら、上司に計画図と設計計算書を提出します。

大抵、計画図や設計計算書について、色々と聞かれるので自分の設計を説明できるようしておく必要があります。

計画図を一枚印刷をしておき、自分の考えを書き込んでおくと良いでしょう。

なぜそうしたか、その根拠を他人にきちんと伝えられることが重要です。

仕様書通りに設計出来ない場合は

最悪なケースですが、仕様書通りに設計できないことが計画図を描いている段階で発覚するケースもあります。

その場合は上司に速やかに相談し、それでも解決が出来ない場合は、設計として成立できる妥協案を出し、営業とお客さんで再度、仕様の打合せをしてもらう必要があります。

電気設計者とも打合せをしておく

ある程度設計が進めば、モーターやリミットスイッチ等の選定も進んでくる思います。

この際に、電気設計者とも今回使う予定のモーターやリミットスイッチ、電気を使う部品について連絡する、もしくは何を使うべきか相談しておくことが大切です。

これは構想の段階で、自分が考えていたセンサやリミットスイッチ等が実際に使えるか、その確認も含んでいます。

今では電気無くして動く機械は皆無と言って良いでしょうから、日頃からお互いに相談できる関係を作っておくことが大切だと思います。

今まで見てきた職場だと、機械設計者と電気(制御)設計者の仲が良い悪いは半々くらいな印象です。

互いに相手の仕事のことはチンプンカンプンなところもあるかもしれませんが、素直に分からないところは分からないとし、聞いてみるのも関係構築の糸口になるかもしれません。

あまりにも不勉強だと忙しい中勘弁してくれと、邪魔者扱いされたり、いい様に使われる可能性もあるので、勉強しておくことも大事なのですが……

計画図を描くのに必要なスキル、知識

ここまで書いてきた通り、計画図の作成は機械設計業務の中でやりがいのある工程ですが、機械工学(機械力学、材料力学、流体力学、熱力学、材料学、機械要素、機構学、製図法、加工法、電気など)の知識持っていることを前提として、設計している機械固有の知識も必要とします。

それらの知識を駆使して色々な事に気をかけながら、計画図を描き進めていきます。

奇抜な要求をされて、その対応をする度に何年経っても幾つもの機械を設計しても、「俺は設計が出来る」とは言えないものです。

4.承認図作成

計画図が上司の検図を経て修正も完了したら、次にお客さんに確認、承認してもらう為の図面を作成します。

この図面は会社によって名称は異なりますが、ここでは承認図としておきます。

承認図に入れるべき情報

生産設備の場合、承認図に下記の情報が必要となると思います。

  1. 仕様書にあるスペック
  2. 機械の全幅、全長、全高の寸法
  3. 機械のストロークする部分や回転部の動作方向最大ストローク位置を仮想線で示す。
  4. 重量
  5. 重心位置
  6. 作業者が操作するレバーや操作盤等の位置や高さ
  7. 据え付けに関わる寸法(基礎ボルトの位置など)
  8. 製品をセットする位置
  9. 運搬機(フォークリフト等)でワークをセットする場合は、セット時の運搬機と機械のクリアランス

あとはお客さんの要求に従い、欲しい情報や寸法を盛り込んでいく形でしょうか。

慣れないうちは先輩の描いた図面を参考に描けば良いと思います。

承認図を描くうえで注意しなくてはならないのは、あくまで外観やお客さんの知る必要がある寸法のみを描き、機構や部品は見せないようにする、隠れ線は消しておく必要があります。

見辛くなるというのもありますが、お客さんの中には承認図から部品の寸法を読み取り、自分の会社で作ってしまった、なんていう話も……

知られたくない情報、お客さんに教える必要の無い情報は極力消しておいた方が良いと思います。

承認図が完成したら上司に検図をしてもらい、営業へ図面を送付する許可を得ます。

営業は受け取った承認図を受注仕様書と照らし合わせて確認、よければ承認図をお客さんに送付し、承認図通りに作ってよいかお客さんに確認を取ります。

確認の結果、お客さんから承認が出たら、詳細設計(部品図、組立図作成)に移ります。

承認図の修正依頼が来たら

お客さんから承認図の修正依頼が来たら指示のあった箇所を修正し、再度上司に検図をしてもらいます。

上司からOKが出たら修正した承認図を営業に送付し、再度お客さんに確認してもらいます。

2DCADを設計ツールとしている場合に特に注意したいのが、修正するにあたり計画図に戻る必要がある場合は、必ず計画図を修正してから承認図にその修正を反映することです。

承認図だけ訂正して計画図に反映をしなければ、計画図を基に作図を進めていく部品図や組立図に必要な訂正が反映されないことになります。

つまり、実際に作られた機械は、お客の仕様を満たさないことに繋がってしまうわけです。

実際には、お客さんもすぐには承認図を確認して可否連絡をくれないので、それが来るまでは進めることが出来る作業、もしくは別の設計作業をしながら承認図の返却を待つことになるでしょう。

また3DCADが設計ツールとして浸透した現在では、3DCADデータをPDF化したものも承認図と一緒に送ってほしいという要求が多いですかね。

3Dの方が機械がどうなっているか、すぐに理解しやすいですから必然的な流れです。

ここまでのまとめ

今回の記事では、仕様打合せから承認図作成まで、機械設計者の役割や、どういう仕事をするのか、どんな知識が必要なのかを、筆者なりに説明してまいりました。

②では5.詳細設計(部品図、組立図作成)から9.出荷までで、設計者が担う仕事や役割について書こうと思っています。

書きたいことや注意しなければならないことは山ほどあって、それを書き始めると記事の趣旨から脱線するのであまり深入りしないようにしたつもりです。

中には私自身が配慮すべきことを疎かにしたために、痛い目にあったものもあります。

少しでも、これから設計業務に携わっていく方の参考になれば嬉しいです。

続きはこちら↓


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